(15)◆パーマネント・ウエーブ用剤
頭髪のウエーブを保つために用いられます。
パーマ剤★:毛髪内の4つの結合
ペプチド結合(強い結合)、
ジスルフィドS-S結合(還元剤で切断、酸化剤で再結合)、
イオン結合(pHの等電点から離れると切断される)、
水素結合(濡れると切断、乾くと再結合)
のうち、3つの結合を切断し軟化させる薬剤。
パーマ1剤(還元剤、チオグリコール酸塩・システイン、アルカリ剤配合し毛髪を膨潤させ、還元剤の浸透をよくする)
パーマ2剤(酸化剤、臭素酸Na・過酸化水素はジスルフィド結合のみ戻す。pHを等電帯にして乾燥させて、イオン結合と水素結合を元に戻す)
チオグリコール酸、塩類★(パーマネント剤、酸化剤、激しい悪臭・刺激臭)
(16)◆染毛料
医薬部外品の永久染毛剤と、化粧品の半永久染毛剤・一時染毛料に分けられます。
一時毛髪着色料temporary(有機酸と染料の混合物、髪の毛表面をコーティングする、こすったり・シャンプーで簡単に落ちる、カラースプレーなど)
@半永久染毛剤★semipermanent(低分子のnitrophenylenediamineとanthroquinone染料を含む。
染色助剤(ベンジルアルコール(浸透剤)・クエン酸Na(pH調整剤))・増粘剤など含む、
2剤に過酸化水素を含み脱色、
シャンプー5回くらいは大丈夫、ヘアマニキュア・カラートリートメント)
A永久染毛剤★permanent hair dye(多くは酸化染毛剤。アンモニアと過酸化水素で酸化し、色素剤と重合させる、
染料中間体(パラフェニレンジアミン)を過酸化水素などで酸化、
くすんだ色(褐色)にしかならず、カプラー(レゾルシン・メタアミノフェノール)と反応していろんな色調に発色する、
さらにニトロ染料(1,4-ジアミノアントラキノン)を加えて色調を調整する。
酸化染毛剤の1液は基剤(クリームやエアゾール)、染料中間体・カプラー・アルカリを混合したもの、
2液は基剤に過酸化水素、1液2液が混ざると、ブリーチ(メラニン色素の分解)と酸化重合が起きる)、
接触皮膚炎が多いために使用前にパッチテストするようにという指定がある、)
B野菜染料vegetable dye(ヘンナhennaが代表、ヘンナは赤色に染色、皮膚感作性がないといわれる)
C金属染料剤metallic dye(酢酸鉛と硫黄を含む)
D脱色剤★ammonium persulfate(刺激性・アレルギー性あり)に過酸化水素を加えて脱色)
(1)パラフェニレンジアミン★paraphenylenediamine(PPDA)
(酸化染毛剤調色剤、毛と毛皮の染色、白髪染め・レザーの染織に用いられる、ヘヤダイ14種中最も感作性強い、最初無色で酸化されると発色、PPDAの酸化物にアレルゲン性はないが、酸化されていない部分が反応する。交叉反応性がある(局麻剤(プロカイン・ベンゾカイン)、スルホアミド、紫外線遮光剤(PABA))、アレルギー性接触皮膚炎が起きる(額上部・生え際・耳の後ろに湿疹、被髪頭部は最初ひどいが徐々に軽減、目の周りの湿疹にも、美容師の手湿疹)、ときにじんま疹型・光アレルギー)
・塩酸メタフェニレンジアミン★benzene-1,3-diamine dihydrochloride★
(C6H4(NH2HCl)2、酸化染毛剤調色剤、アゾ染料・顕色剤・ゴム添加剤・耐熱性ポリマー原料・エポキシ樹脂硬化剤に用いられる、アレルギー性接触皮膚炎を起こすことがある)
・塩酸トルエン2,5-ジアミン★diaminotoluene dihydrochloride
(C6H3(NH2HCl)(NH2)HCl、永久染毛剤第一液、赤褐色にそまり、おしゃけ染めにも、PPDAと交叉反応する、ゴム手を通過する可能性)
(2)アミノフェノール類★aminophenolAP(染料・医薬品の原料、酸化染毛剤調色剤(カプラー)、ヘヤダイ・毛皮・レザーの染織・現像液に用いられる、ときにアレルギー性接触皮膚炎)
・パラアミノフェノール★paraaminophenolPAP(C6H4(NH2)OH、融点187℃、
アセトアミノフェン中間体・硫化染料中間体・酸化染料・ゴム老化防止剤・現像液に用いられる、APで最も感作性が強い、benzoquinone・PPDA・OPDAと交叉反応する)
・メタアミノフェノール★metaaminophenolMAP(C6H4(NH2)OH、融点122℃、染料・PASの原料・感熱色素・農薬・アラミド繊維原料)
・オルソアミノフェノール★orthoaminophenolOAP(C6H4(NH2)OH、酸化染毛剤(硫化染料中間体)・アゾ系硫黄染料原料、接触皮膚炎、PPDAと交叉反応、変異原性・メトヘモグロビン血症)
(3)5-アミノオルトクレゾール5-amino-o-cresol(酸化染毛剤調色剤(カプラー))
(4)ピロガロールpyrogallol(C6H3(OH)3、酸化染毛剤調色剤、金属染毛剤・媒染剤、金・銀・水銀の還元剤、写真現像液・媒染剤・染料に用いられる)
(5)ピクラミン酸picramic acid(ピクリン酸のオルトのNO2がNH2に還元したもの、色調の変更に使用)
(6)ナフトール★AS haphthol AS(羊毛成分のアゾカップリング成分、ネルの寝間着。色素沈着性接触皮膚炎が起きることがある)
(7)レゾルシンresorcin(C6H4(OH)2、レゾルシノール、ニキビ治療に使用、抗甲状腺効果がある、点眼・皮膚洗浄剤に使用、酸化染毛剤調色剤(カプラー)、ヘヤトニック・ヘヤダイ・口紅に使用、写真・プラスチック・ゴム添加物・セルロイド・コピー機に使用)
(8)モノエタノールアミンmonoethanolamineMEA(CH3(OH)CH3NH2、ブリーチ剤のアルカリ剤(毛髪を膨満させキューティクルを開く、過酸化水素でメラニン色素分解)、生体膜成分・抗ヒスタミン剤の一部・界面活性剤・乳化剤に)
・トリエタノールアミン
・アンモニア
Copyright © 2003 Endou Allergy clinic All Rights Reserved
|