(9)◆抗炎症作用・消炎剤  

 抗炎症剤といえば、ステロイドや非ステロイドだが、外用剤としてよいものがあるかどうか、疑問です。
 最も配合されるものが多いアラントインでも、抗炎症剤としての有用性があるかどうかはっきりしません。
 むしろ、アレルギー性接触皮膚炎の方が心配です。


サリチル酸シランジオール★silanediol salicylate
(抗炎症、睫毛美容液、シリコンを結合させてとれにくい状態に)

グアイアズレン★guaiazulene(1,4-dimethyl-7-isopropylazulene、アズレン誘導体(セスキテルペン)、カモミールなどに含有、融点32℃、着色料・抗炎症)、
・グアイアズレンスルホン酸Na★(アズノール)

アラントインallantoin(C4H6N4O3,グリオキシル酸のジウレイド、尿酸の酸化物、窒素代謝物の尿中排泄に。タバコ種子にもある。キズ回復効果、抗炎症効果)
パルミトイルトリペプチド-8、-38★(何のペプチドか詳細不明、ペプチドにすると皮膚吸収はよくなるが、接触皮膚炎などのアレルギーを起こしやすくなる、SP低減、神経性炎症に対する抗炎症剤・TGF-β活性化してコラーゲン生成刺激、アトピー用)


(10)◆抗酸化剤・安定剤

 抗酸化剤・酸化防止剤は、酸素が関与する有害反応を除く物質です。
 活性酸素をつくるもの(フリーラジカルなど)を除く働きがあります。
 生体由来のもの(多くは天然から抽出されたものでなく、合成されているものが多い、合成品は不純物が含まれ、天然物とは同じではない)と全くの合成品があります。

◎天然由来のものと合成品◎

N-アセチルシステインN-acetylcystein(抗酸化剤のグルタチオンに代謝、鎮咳剤・去痰剤)

カテコール★catechol(ピロカテコール・1,2-ジヒドロベンゼンC6H4(OH)2、マメ科アカシア属ペグに含まれる、融点105℃、抗酸化・香料・染料原料・止血剤・レジスト剥離剤・脱酸素剤・メッキ処理剤、
変異原性・DNA損傷性・接触皮膚炎)、
・カテコールアミン

グルタチオンglutathione(トリペプチドC10H17N3O6S、グルタミン酸-システイン-グリシンがペプチド結合、細胞内に高濃度で存在、解毒・医薬品・食品添加物)

クロロゲン(chlorogenic acid(3-カフェオイルキナ酸、C16H18O9、コーヒー豆から単離、抗酸化作用・血糖上昇抑制)
ジカプリル酸ピリドキシン(VB6を油溶性にして吸収を高めたもの)

α-トコフェロール★tocopherol(ビタミンE、融点3℃、脂溶性ビタミン、抗酸化作用、αβγδの4種あるが作用はαβγδの順に弱くなる、
油脂・魚卵・種実に多い、未熟児で溶血性貧血・深部感覚異常、不妊・筋萎縮・脳軟化症の原因にも)、
・酢酸αトコフェロール(ビタミンE)
・トコフェリルリン酸Natocopheryl phosphoric acid(水溶性、ビタミンEのヒドロキシ基をリン酸化、化粧品)
トリスヘキシルデカン酸ピリドキシン(VB6を油溶性にして皮膚吸収をよくしたもの、化粧品に)

ビタミンC(L-アスコルビン酸ascorbic acid)及びその誘導体(酸化防止剤、融点191℃、水溶性、壊血病)、
・テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(油溶性、安定性、浸透性大)、
・ジパルミチン酸アスコルビル(油溶性)、
エリソルビン酸erythorbic acid(Na塩も、L-アスコルビン酸の異性体(ジアステレオー、ビタミンC作用はない)、
・イソアスコルビン酸(酸化防止剤、ビタミンCの効果はない)

フィチン酸phytic acid(イノシトール6リン酸エステルC6H18O24P6、種子などにリンの貯蔵形態・キレート作用、フィターゼがないため吸収されにくい、尿路結石予防・歯垢抑制・癌予防・抗酸化)
・フィチン(フィチン酸のCa,Mg混合塩、キレート作用)


◎合成化合物◎

エルゴチオネイン(合成アミノ酸、シイタケ・ヒラタケなどに含まれる、
麦角から単離、抗酸化)

ブチルヒドロキシトルエン★buthylhydroxytoluene(BHT)、
ジブチルヒドロキシトルエン★dibuthylhydroxytoluene(BHT、抗酸化剤、食品・化粧品・医薬品・ゴム・エンバーミング剤、変異原性・催奇形性、食品への添加を禁止している国がある、近年は食品に使用されなくなった)
ブチルヒドキシアニソールbuthylhydroxyanisole★(BHA、BHTが使われなくなりその代用品、BHAの問題点は確認されていない)

没食子酸プロピル★propyl gallate(C10H12O5、酸化防止剤、BHTより強力、融点150℃、食品、溶けにくい・紫色に変色、変異原性・染色体異常試験陽性・DNA修復試験陽性)

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