アトピー性皮膚炎と「水いぼとプール」

Q.
5歳の男の子です。
1月にいとこと一緒にお風呂に入ってからと思いますが、体のわきやおなかに小さなぶつぶつができました。
幼稚園の先生に、7月ころからプールがありますが、みずいぼがあると入れないことになっていると言われました。

A.
みずいぼ(伝染性軟属腫)は伝染性軟属腫ウイルスが原因で起こります。
直接接触して感染するため、保育園・幼稚園に通っている幼児で多く見られますが、成人にできることもあります。スイミング教室やお風呂で感染しやすく、特にアトピー性皮膚炎患児は皮膚が乾燥し、かゆみで引っかくためにしばしば感染します。
体に何百とできることもあります。

みずいぼは直径1mm以下の白い点のようなものから始まり、少しずつ大きくなり、直径1〜2mmの中心にへこみがあるぶつぶつです。
体やおしりによくできますが、陰部や手足にもできます。
ウイルスのアレルギー反応として、周囲に軽い湿疹ができたり、融合してケロイド状に盛り上がることがあります。
かきむしって、びらんになると、細菌がついて、とびひになることもあります。

みずいぼを殺すような抗生剤はありません。
治療としては、ピンセットで白い中身をつまんで取り出す方法がよく行われますが、かなり痛みを伴うため、数が多いと大変です。
小さいものは、つまんでとるのは難しく、患者の免疫力で自然になくなるの期待して、大きくなってどうしても消えないものだけ取る場合もあります。
液体窒素やドライアイスで処置することもあります。

みずいぼは確かにウイルスによる感染症で他人にうつりますが、アトピー体質がなければ広がることは少ないようです。
また、このウィルスで脳炎や肺炎になったという報告はありません。

和歌山市の教育委員会の話では、市立の幼稚園・保育所は、皮膚の感染症があるとき、一緒にプールに入らないようにしていますが、みずいぼのときは、医師の許可があれば、精神的発達も考えてプールに入れるとのことです。
みずいぼは一度できると次から次へと繰り返し、完全になくなるまでとなると、なかなかプールに入れないことになります。
少しくらいなら、子供同士の接触に注意しながらプールを楽しむ方がよいかもしれません。


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