アトピー性皮膚炎と「海水浴」

Q.
6歳の男の子です。
乳児期から湿疹があり、最近は少しよくなっていますが、肘や膝の内側にまだ湿疹が残っています。
塗り薬の他に何かよいものはありませんか。

A.
大阪府立羽曳野病院(現在大阪府立呼吸器・アレルギーセンター)に勤務していたころは、四肢屈側や首に引っ掻き傷(びらん)の多いアトピーの子供を診察するたびに、さかんに海水浴をすすめていた。
残念なことに大阪の海水浴場といえば二色浜や南港のような何ともきたないところしかなく、水にはいるだけでかゆくなる患者もいた。
和歌山の海は大阪湾と比べると多少きれいだが、海水が合わないこともある。

海水浴は、びらん部についた黄色ブドウ球菌を消毒し、体表面の抗原を洗浄し、かゆみを抑える。
また、日光(紫外線)を浴びることで皮膚表面の免疫反応も抑えられる。
海水浴に出かけるという転地療法の効果もある。
ある程度水分を含んだ海辺のきれいな空気は呼吸器のアレルギーを伴った患者にとてもよい。
もちろんストレス解消にもなる。

海水浴が向かない患者もいる。海水の種類はともかく、あまりびらんがひどいと痛くて海に入れない。
ただ、多少掻き傷があり、細菌感染が悪化要因となっている患者の方が効果がある。
子供の場合はうまく遊びながら、楽しさで痛みをごまかすようにするとよい。
日光が合わない患者は海水浴は向いていない。紫外線を遮断する化粧品は使いたくないが、普段日光を浴びていないときは、日焼けのあとが湿疹になる場合があり、そんな化粧品を使うしかないことがある。
それゆえ化粧品の合わない患者は難しい。子供の場合はあらかじめプールで少しずつ焼いておくのがよい。
それでも急に大量に紫外線を浴びるのはよくないこともあり、時間を短くしたり、衣類や帽子をつけて泳ぐこともある。

海水浴は、ステロイド外用剤以外のもので夏場におすすめのものであるが、患者のタイプで効果や副作用に差があることを忘れてはならない。

最近、お盆前から海水浴場にクラゲがたくさんいて、さされてひどい目に合う。
カニの幼生によるプランクトン皮膚炎とともに、クラゲに刺されないように注意したい。


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