アトピー性皮膚炎と「民間療法」

Q.
20歳の男子大学生です。
ずっとステロイドをぬっていましたが、3年前に止めて、全身にひどくなり、
最近ようやく少しよくなってきました。
いろんな人があれこれすすめてくれますが、何がよいのか分かりません。

A.
ステロイドを外用していてなかなかよくならないとき、他に何か治療法はないものかと思うのは当然のことである。
アトピー性皮膚炎のような慢性の病気のときはなおさらであろう。
今日いろんな民間療法が氾濫する理由として、医療に対する不信感もある。
とはいうものの、治療の基本は病気が起きている原因を探し出して、それを除くことにある。

民間療法には実に様々なものがある。ただ患者の弱みや不安につけ込んだ怪しげなものも少なくない。
特に、それまで使っていたステロイドの外用を中止させ、「毒を出す」と称して全身に湿疹が広がったリバウンド状態を招くようなやり方は好ましいものではない。

一方、医療の現場でも民間療法に近いものが利用されている。高価な温泉水を購入させるのは論外として、患者の問題点に合ったものを選べば、多少とも治療の手助けになる。

一般に内服しただけで有効なものは少ない。
中国土産のアトピーのクスリにはステロイドが含まれ、知らずに内服している場合がある。
クロレラは便秘が悪化要因になっている患者にはよいかもしれない。
サプリメント類は食生活の不規則な患者や好き嫌いの多い患者には栄養補助をかねて効果があるが、合成品は少なからず不純物が含まれ、それによる薬害の危険性がある。
外用剤の有用性については患者のタイプで異なる。外用剤の合わない患者には、保湿効果は少ないが、接触皮膚炎を起こしにくい化粧水のようなものをすすめている。
馬油は塗り心地はよいが、動物のアレルギーがある患者には馬のアレルギーが起きる危険性がある。
花粉症のある患者にヨモギエキス入りの外用剤は向いていない。
木酢液は入浴剤として塩素を除き、消毒効果もあり、二次感染を伴ったびらんの多い患者によい。
温泉でのんびり療養するのもよい。
洗浄効果に加えてストレス解消にもなる。
ストレスの強い患者は仕事を忘れて旅行に出るのもよい。
手足が冷たく、自律神経失調傾向があれば、太極拳や鍼灸治療も悪くない。

以下のような文を付け加えました。いかがでしょうか。

アトピーも気持ち半分です。
何か無難なものをやっているだけで気分が落ち着くなら、効果ありとも言えます。


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