しもやけ

Q.
10年ほど前から気温が下がり始める12月ごろになると、鼻の1点にポツッと赤い湿疹ができ、
寒くなるにつれどんどん広がってきて、ほぼ鼻全体が赤くなってしまいます。
冷え症で血行不良のせいなのか、ストレスのせいなのか、ぐっすり眠れないせいなのか、
暴飲暴食のせいなのか・・・、ひどくなってくるにつれ不安でいっぱいになります。
(50代女性)

A.
ご質問を拝見して最も当てはまる病気は凍瘡(しもやけ)かと考えられます。
凍瘡は急に寒くなった冬の初めや、あたたかくなり始めた頃の寒暖の差の大きいときに見られます。

小児に多い病気ですが、冷え症のひどい成人女性や高齢者にもできることがあります。

手や足の指によくできますが、耳介や鼻の頭にも生じます。
最初は赤く腫れてかゆみがあり、ひっかくとびらんになり、暖まるとかゆみが強くなります。

高齢者の凍瘡は子供のそれと多少違って、真冬に冷たい状態が続いたときに起こりやすいようです。
多形紅斑に似た発疹がたくさんでき、水疱になったり、破れて潰瘍になることもあります。

原因としては、まずもともとできやすい遺伝的な体質が考えられ、体の先の方(末梢)の血液循環がうまく行っていないこと、自律神経の働きに問題があることなどが指摘されています。
また、成人ではやせた人に起きやすく、動脈硬化が進んだ高齢者にも多いようです。
更年期になり、女性ホルモンの変化がきっかけになることもあります。

対策としては、まず凍瘡のできやすいところを冷やさないこと。外出するときは、手袋、耳当て、マフラーなどで保温し、5本指の靴下をはいて上からさらに厚手の靴下をはくのもよいでしょう。
冷たい水仕事を素手でやるのは避け、必ず綿手袋の上にゴム手袋をつけること。

外用剤としてはユベラ軟膏、ヒルドイドソフト、アズノール軟膏などの保湿剤をよく用いますが、炎症が強いときはステロイドを外用するしかないかもしれません。
かゆみがひどければ抗アレルギー剤の内服が処方されます。

末梢循環を改善するような食事、たとえばDHAやEPAを多く含むサバなどの青魚、ビタミンEの多い胚芽米、造血に関係した葉酸を多く含む鶏レバーなどは有効です。
バランスよく栄養摂取することが重要です。

薬剤としてビタミンEの内服も処方されます。
また、カルシウムブロッカーなどの降圧剤、アスピリンなどの血小板凝集抑制剤をのんでいると凍瘡が生じにくい可能性があります。
温経湯、四物湯などの漢方もいいようです。

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