掌蹠膿疱症

Q.
20年ほど前から、両足の裏が皮膚病になりました。「掌蹠膿疱症」と診断されました。
病院を3回ほど変えましたが、いまだに治りません。一生治らないという先生もいます。
何とか治す方法はないでしょうか。
(70代女性)

A.
掌蹠膿疱症はてのひら(掌)と足の裏(蹠)に無菌性膿疱がたくさんできるなかなか治りにくい病気です。

多少かゆいこともあるが、皮膚がきれて痛いために歩けないこともある。
てのひらは親指と小指の下方、足の裏は土踏まずによくできます。
足の裏から始まることが多く、春から夏にかけて悪化し、水虫としばしば間違われます。

膿疱性乾癬と似た疾患であり、膝や肘の外側などの乾燥した湿疹や爪の陥凹が見られる場合がある。
胸骨・鎖骨の関節炎のために胸の痛みを訴える患者さんもいます。

病気の原因としては、扁桃腺に住み着いた溶連菌のアレルギーがある。体の中にいる細菌やウイルスがアレルギーの原因になっているということで、異常な腸内細菌や蓄膿症、歯槽膿漏や虫歯なども原因の可能性があります。

扁桃炎の場合は誘発試験や打ち消し試験があるが、とりあえず採血してその可能性があるか検討して下さい。
このタイプの治療となると、扁摘などの手術や抗生剤の内服になるが、効果は様々で、内服の場合はよくなってもやめると悪化する傾向があります。
歯科金属のアレルギーも掌蹠膿疱症に関係します。

歯科金属に含まれるコバルト、ニッケル、クロム、水銀、パラジウムなどの金属を食べることで発疹ができるということ。
以前から安物のピアスなどで接触皮膚炎を起こす人は用心が必要です。
金属のパッチテストでアレルギーの有無を判定します。
治療としては、義歯をアレルギーを起こしにくいものにやりかえるのがよいが、結構費用がかかる上にすでに金属が体内に蓄積していると必ずよくなるとは限りません。
ステロイドやビタミンDなどの外用剤が用いられますが、それだけでよくなるほどの効果はありません。

内服剤としては、抗生剤の他にエトレチネート(ビタミンA誘導体)やシクロスポリン(免疫抑制剤)などが有効です。
難治性であり、ストレスでも悪化しますので、そのうちよくなる気持ちでのんびりやって下さい。


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