脂漏性湿疹

Q.
4年くらい前から両頬が脂漏性湿疹(酒さ)になりました。かゆみ等はありません。
病院を3回ほど変えましたが、一向に改善されません。
現在、B2、B6錠の内服と真菌の軟膏で治療中です。
この疾患は時間がかかると聞いていますが、このまま治療を続ければ、治癒するのでしょうか。
もし治療を中止した場合はどうなりますか?
(50代男性)

A.
皮脂は主に毛髪に付属した皮脂腺から分泌され、男性ホルモンで量が増減します。

皮脂腺の数が多いところを脂漏部位といい、頭、額、鼻の横などがそれに相当します。

皮脂腺から皮脂が過剰に分泌されている状態を脂漏といい、これが続くと、脂漏性湿疹、ざ瘡(にきび)、酒さなどが起きてきます。
ビタミンB2やB6は皮脂の分泌を抑えるために用いられます。

黄色のかさぶたとなった脂漏性湿疹は、新生児の頭部に結構多く見られます。

成人の顔面の脂漏性湿疹は、男性ホルモンの活発な壮年期の男性に多く、老化とともに皮脂が少なくなれば症状は軽くなります。

酒さと同様に、寒くなると悪化し、あまり痒くないようです。
当然のことながら、皮をめくったり、触ると悪くなります。

皮脂成分のトリグリセリドはニキビ菌などによって酸化されて遊離脂肪酸を生じ、他の過酸化物質とともに皮膚を刺激して炎症を引き起こし、湿疹を作ると言われています。

この炎症を抑えるものが抗炎症剤です。
ステロイド系抗炎症剤と非ステロイド系抗炎症剤がありますが、非ステロイド系抗炎症剤はかぶれやすく、要注意です。
また、長期にわたってステロイドを顔に使うといろんな副作用が出やすく、使い方には用心が必要です。
免疫抑制剤のプロトピックを使うときもあります。

マラセチアという脂質を好む真菌(カビ)が関与しているという意見があり、水虫のクスリを塗る場合があります。

脂漏性湿疹はなおりにくく、最後にはべとつかない保湿剤程度で経過をみている患者さんもいます。
強いステロイドを長く使っていなけば、治療を中止してひどく悪化することはないでしょう。

活性酸素を減らすような、たとえば活性型ビタミンCを含んだニキビ用の化粧品を試してみてはいかがでしょうか。
油もの、甘いもの、飲酒、ストレスは症状を悪化させると言われています。


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