紫斑

Q.
両足下肢がかゆく、乾皮症といわれ薬を塗っていました。
そのうち3〜4センチの大きさの赤く、かゆみのある部分が現れ、
皮膚科で「特発性色素性紫斑」と診断されました。
以後下肢全体から太ももの内側にまで広がってしまい、痒みもひどくなってきました。
原因が分からないそうですが、この先どうなるか不安です。
もともと皮膚は弱く、洗剤や殺虫剤などきついものは避けるようにしていました。
(60歳女性)

A.
赤血球が血管の外にもれた状態を紫斑といいます。
これを繰り返しているとヘモジテリンが沈着し、褐色になってきます。

紫斑はいろんな原因で起こります。たとえば、血液を凝固させる血小板が減っているとき、血管が弱くなっているときなどです。
ステロイドを長く内服していたり、大量に外用していると、少し当たっただけでも紫斑ができることがあります。
特発性(または慢性)色素性紫斑は、毛細血管の拡張や点状の出血、それによる色素沈着はあるものの、特に紫斑に関連した検査所見に異常がない病気です。
この病気はいくつかの病型に分けられますが、どれとも診断しにくい場合があります。
どの型も下腿によくできます。その中でマヨッキー血管拡張性環状紫斑とシャンバーグ病はかゆみが少なく、ご質問の患者さんの症状と一致しません。

かゆみの強い型として紫斑性色素性苔癬様皮膚炎や掻痒紫斑があります。
前者は湿疹的要素が強く、長期間続くことが多く、下腿を越えて広がることがあり、この病気が最も考えられます。
原因としては、血管の脆弱性や静脈系の異常に加えて、様々な薬剤や体内の細菌などのアレルギーがいわれています。
どうしても広がるのを止められないようなら、内科でもらっている薬剤があれば、念のためそれを見直してみてはいかがでしょうか。

五十歳を過ぎて更年期になると、女の人はどうしても皮膚がかさかさして、冬は特にかゆくなります。
こんな時、あまり強いステロイド剤を使っていると、年齢的なことも重なって、引っ掻いて紫斑ができることがあります。
皮膚病は患者さんが見て分かるだけに、不安を感じて当然です。
ただ不安は精神的ストレスになり、それが免疫異常や治癒力の低下につながります。
自然治癒も結構あります。あまり気にしないでのんびり行きましょう。


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