2. 乳幼児アトピー性皮膚炎における犬アレルギーの検討
(症例報告と統計分析)
キーワード:アトピー性皮膚炎、犬、RAST、抗原
略語
Df : Dermatophagoides farinae
Dp : Dermatophagoides pteronyssinus
RAST : radioallergosorbent test
遠藤薫他:乳幼児アトピー性皮膚炎における犬アレルギーの検討。アレルギー、48、1309-1315、1999。
要旨
症例:生後2カ月女児。
IgE 62 IU/ml、RAST (ハウスダスト 1.06 Ua/ml、Df 0.03、Dp 0.01、犬皮屑 7.99)。
母の実家に行くと症状が悪化。
実家では室内犬が飼育され、患児は生後1カ月間そこにいた。
犬の失踪後、実家訪問後の悪化は徐々に消失した。
2歳以下のアトピー性皮膚炎患児368名について、自宅及び自宅外での犬の飼育の有無と皮膚症状、検査所見の関係を検討した。
犬皮屑に対するRAST陽性率は、自宅で飼育していれば高かったが、父母の実家で飼育されているときにも高いことがわかった。
室内飼育の場合、室外飼育よりも陽性率が高かったが、自宅と父母の実家で有意差はなかった。
室内飼育の場合、陽性率は生後3カ月以内に高値となり、それ以後陽性率は有意に上昇しなかった。
室内飼育の場合、実家を訪れる回数に比例して陽性率が上昇していた。
皮膚症状は、室内で飼育した場合、室外で飼育した場合と飼育していない場合に比して有意に重症であり、室内犬を室外に隔離するだけで症状が改善する可能性があると考えられる。
はじめに
臨床的には、乳幼児アトピー性皮膚炎の悪化要因として、以前から卵、牛乳、小麦、大豆などの食物アレルゲンが重要視され、患児が這い始めるころより上昇するダニやハウスダストの関与も指摘されている。
しかし、近年狭い日本の家屋で飼育されることが多くなった犬や猫については、これまであまり注目されてはいなかった。
その理由として、受診時の問診でそれらの存在を確認していないことが多いことに加えて、乳児が直接ペット類に接触することは少ないことから、血液検査の項目から脱落していたことによると考えられる。
そのために乳児期初期からペット類がアレルゲンとして関与しているとは、家族だけでなく主治医も予想しておらず、特に父母の実家で飼育されているペット類については全く無視されてきた。
実際、文献的にも、乳児アトピー性皮膚炎におけるペット類の関与についての報告は皆無である。
気管支喘息患者に対するペットアレルギーについては、これまでいくつか報告されている。
ほとんどが成人または小児を対象としており(1)(2)(3)(4)、乳児に対しては報告されていない。
数年前より、われわれは、日常診療の詳細な問診から、ペット類の飼育が悪化要因の可能性である乳児アトピー性皮膚炎を多数経験している。
それらの中で典型的な症例として、母の実家で飼育されている室内犬によって悪化した一例を報告し、乳幼児アトピー性皮膚炎患児の悪化要因としてペット類が重要な位置を占めていることを示す。
さらに、乳幼児アトピー性皮膚炎に対する犬の影響について統計的に解析した結果を報告する。
症例
患者:生後2カ月、女児。
初診:1995年1月13日。
既往歴:ASD、VSD。
家族歴:母にアトピー性皮膚炎(小児期まで)、アレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎。
母方祖父にアレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎。
現病歴:生後まもなくより皮疹が出現した。
非ステロイド系軟膏のみで経過を見ていたが、軽快しないために当科初診した。
患児を母の実家につれて行くと、皮疹が悪化する傾向が認められた。
母の実家では、患者の出生前から室内犬(ヨークシャーテリア)を1匹飼っていた。
患児は生後1カ月まで実家で育てられていた。
自宅に帰ってからも、平均して週に1、2回程度の割合で、母は患児をつれて実家を訪れるとのことである。
なお、父母の話では、患児は室内犬に直接接触したことはない。
100%母乳栄養であり、離乳食は与えたことはなく、母は食事制限をしたことはない。
39週で出生時、身長46 cm、体重2680 g。
現症:生後3カ月時、体重約7 kg。
初診時、被髪頭部には落屑を伴った紅斑、頬部にはびらん、滲出液を伴って著明な紅斑が見られた。
体幹・四肢には、貨幣状の落屑を伴った紅斑が散在性に多発していた。
検査成績:白血球数11,600 /mm3、好酸球 9 % (962 /mm3)、赤血球数 399万 /mm3、Hb 10.7 g/dl、血小板数 377,000 /mm3。
IgE 62 IU/ml、RAST (ハウスダスト 1.06 Ua/ml、Df 0.03、Dp 0.01、卵白 9.15、牛乳 0.45、小麦
0.00、大豆 0.01、米 0.00、猫 0.05、犬上皮 0.12、犬皮屑 7.99)。
臨床経過:初診後、約1カ月間隔で通院した。
皮膚の消毒と非ステロイド系軟膏などで経過をみていたが、生後3カ月の時、皮疹はさらに悪化していた。
この時、犬に対するアレルギーの存在が検査で明らかになった。
生後4カ月ころ(IgE 972 IU/ml、犬皮屑 142.8 Ua/ml、好酸球数 3,206 /mm3)と犬皮屑のRAST値はさらに著明に上昇していた。
このとき皮疹はやや軽減していたが、保育所に預けられた5カ月ころより再び悪化した。
やむえず生後6カ月よりステロイド剤の外用を開始した。
その後皮疹は徐々に改善していったが、生後7カ月より気管支喘息が出現した。
このころ、感冒や伝染性膿痂疹を繰り返した。
生後9カ月の時には近医に肺炎で入院した。
この後、皮疹は著明に改善した。
1歳の時、体重 9,500g。
1995年10月(生後11カ月)ころ一時悪化したものの、その後犬がいなくなる(生後11カ月)と共に、顔面・体幹に軽度の紅斑を残して皮疹は徐々に軽快した。
しかし、3歳6カ月現在まで、冬季に感冒や発熱後に気管支喘息が見られ、解熱後、軽度の皮疹が再発し、夏季には消失することを繰り返している。
皮疹の悪化時は、ステロイド剤を保湿剤と混合した外用剤を使用している。
患児の離乳食は、1歳3カ月ころまで、卵と牛乳を完全に制限した。
その後徐々に解除し、1歳10カ月時にはいずれも現物まで摂取して、特に症状は認められなかった。
室内犬に関係したこと:患児は母の実家に行くたびに掻破が増え、顔面、頭部のびらん、滲出液の増悪がみられた。
そのために犬に対するアレルギーの存在が明らかになってからは、患児が母の実家に行く回数を減らすように、やむえず実家に行ったときは、犬に接触しないように注意した。
また、祖父母が患児宅を訪れて患児を抱くと、患児のかゆみがひどくなる傾向があった。
祖父母が患児を抱くときは、犬毛の付着していない衣類を着るように指導した。
母の実家が当院の近くにあり、しばしばそこに泊まって翌日当科を受診しており、実家訪問後の皮膚症状の悪化は検査によって指摘された後においても繰り返した。
ヨークシャーテリアは患児が誕生以前からの家族の一員であり、結局1995年10月に行方不明になるまで人情として追い出すことはできなかった。
しかし、それ以後実家訪問後に見られた悪化は徐々に消失した。
以上、下記に検査所見の変動とともに患児の臨床経過をまとめた。
乳幼児アトピー性皮膚炎の犬アレルギーの検討
(統計分析)
対象
1994年9月より1995年9月に大阪府立羽曳野病院皮膚科を受診した2歳以下のアトピー性皮膚炎患児368名(男211名、女157名、平均年齢13.2カ月)を対象とした。
アトピー性皮膚炎の診断は、Hanifin & Rajka の診断基準から、掻破行動によるかゆみの存在、乳幼児アトピー性皮膚炎に特徴的な皮疹の分布、慢性・再発性の臨床経過(持続期間は2カ月以上)、父母あるいは兄弟のアレルギー疾患の有無に基づいて行った(5)。
方法
まず、以下の項目について患児の家族に問診した。
@.現在及び過去における犬の飼育の有無(父母の実家やしばしば訪れる自宅以外の場所についても問診)。
自宅以外に飼育されている場合は、そこを訪れる頻度。
A.犬の種類、飼育場所(家の外と家の中。
なお、夜間玄関に入れる場合は家の中に含めた。
室内外で複数飼育している場合は室内を優先した。)、匹数、飼育年数、接触時の症状(皮膚、鼻、眼、呼吸器)の有無。
B.患児及び家族のアレルギー疾患(アレルギー性鼻炎、結膜炎、喘息)の有無。
血液検査で血清IgE値、RAST値(ハウスダスト、Df、Dp、卵白、牛乳、小麦、大豆、米、犬皮屑、猫皮屑)を調べた。
RAST値は0.7 Ua/ml以上を陽性と判定した。
同時に、全身の皮膚症状をグローバル評価で4段階(1〜4)で評価した。
皮膚症状1は微症(発疹はみられるが、極めて軽度)、症状2は軽症(限局した部位に明らかな紅斑がみられるもの)、症状3は中等症(発疹が体幹・四肢に拡大しているが、体表面積の50%以下)、症状4は重症(発疹が体表面積の50%を越えるもの)に相当する。
統計分析
統計分析はStat View (Abacus Concepts, Inc., Berkeley, CA, 1996)を用いて行った。
各群間の患者数あるいは陽性率の比較はχ2検定を用いて分析した。
結果
197名の患児は犬をどこにも飼っていないと答えた。
どこかに犬がいると返答した171名のうちで、飼っている場所は、自宅が36名(室内10名、室外26名)、母の実家が79名(室内40名、室外39名)、父の実家が48名(室内25名、室外23名)、その他の場所が8名(室内6名、室外2名)であった。
なお、自宅以外で飼育されている場所が複数の場合、訪れる回数の多い方に分類した。
これらをまとめると、室内で飼っていると答えた患児は81名、室外で飼っていると答えた患児は90名であった。
飼育されている犬の種類は、雑種が最も多く87名(室内17名、室外70名)、柴犬8名、秋田犬3名であったが、その他73名はすべて外国産の犬種が占めていた。
外国産の犬種としては、マルチーズ13名、ヨークシャーテリア9名、プードル8名、シーズー8名、ポメラニアン6名、シェルティ5名などが主要なものであり、多くは室内で飼育されていた。
患児の犬皮屑に対するRAST値の陽性率を、飼育場所で分けて、Fig. 2に示した。
RAST値の陽性率は、犬を飼育していない場合6.1%、飼育している場合31.6%(室内46.9%、室外17.8%)であった。
自宅で飼育している場合33.3%(室内50.0%、室外26.9%)、母の実家で飼育している場合32.9%(室内50.0%、室外15.4%)、父の実家で飼育している場合25.0%(室内40.0%、室外8.7%)であった。
全体として、犬を飼育していない場合の陽性率6.1%に対して、室外で飼育されている場合17.8%、室内で飼育されている場合は46.9%であり、順に有意に(p<0.01)陽性率が高くなっていた。
自宅では対象患者数が少なく統計的有意差は見られなかったが、室内で陽性率が有意に高くなるのは、父母の実家でも同じ結果であった(p<0.01)。
室外で飼育した場合、自宅、母の実家、父の実家の順に陽性率が高くなっていたが、統計的有意差はなかった。
一方、室内で飼育した場合、自宅及び父母の実家の間で陽性率にほとんど差が認められなかった。
患児の月齢ごとに犬皮屑RAST値の陽性率を比較した(Fig. 3)。
室内で飼育していると、すでに生後3カ月以内の患児において、飼育していない患児に比して有意に陽性率が高くなっていた。
この陽性率は、生後3カ月以内の患児、4〜7カ月の患児8〜11カ月の患児の間で有意な差違はなく、犬皮屑に対しては出生後比較的早期に感作が成立すると考えられた。
患児が犬を飼育している両親の実家を訪れる回数(回/月)で犬皮屑RASTの陽性率を比較した(Fig. 4)。
室内で飼育されている場合、行く回数に比例して陽性率が上昇し、2〜4回/月の時55.0%、5回/月以上の時は78.6%に達していた。
室外で飼育している場合も同様な結果であったが、明らかに行く回数に比して陽性率は低かった。
なお室外で飼育している患児で行く回数が1回/月未満において6例中1例陽性となり、図では症例数が少ないために高くなっている。
患児を全身の重症度で分類してFig. 5に示した。
軽症以下(1〜2)が176名、中等症(3)が144名、重症(4)が48名であった。
さらに、犬の飼育歴で分類すると、犬を飼育していない場合、軽症以下100名(50.8%)、中等症78名(39.6%)、重症19名(9.7%)であったのに対して、室外で飼育されている場合は、それぞれ48名(53.3%)、32名(35.6%)、10名(11.1%)、室内で飼育されている場合は、それぞれ28名(34.6%)、34名(42.0%)、19名(23.5%)の割合であった。
室内で飼育されている場合、犬を飼育していない場合(p<0.01)あるいは室外で飼育されている場合(p<0.05)に比べて有意に患児の皮疹が重症化していた。
犬を飼育していない場合と室外で飼育されている場合を比較すると、重症度に有意差は認められなかった。
考案
アトピー性皮膚炎患児にペットアレルギーの存在を疑う場合、詳細な問診によって、患児宅だけでなく、患児がしばしば連れて行かれる自宅以外の場所にもペットが飼育されていないか聞き出すことが重要である。
自宅以外の場所としては父母の実家が多いが、叔父・叔母や父母の知人、時に保育所のこともある。
問診および検査でペットに関連した項目が脱落していても、この症例で明らかなように、RAST値でハウスダストが陽性、DfとDpが陰性の時、ダニ以外のハウスダストの成分でRAST値が陽性になっていること、すなわちペットアレルギーの可能性があることが推測される。
われわれはこのようなタイプの検査異常をこれまで数多く経験しているが、そのほとんどは6カ月未満の乳児であり、大部分が犬・猫によるものである。
父母の弁を信用する限り、患児はヨークシャーテリアには直接接触していないことから、また、祖父母が抱くと患児の症状が悪化することから、家族または患児自身の衣類に付着したもの、あるいは室内に浮遊するものを吸入し、あるいはそれらが顔面に付着して、ペットアレルギーが形成されたと考えられる。
犬を室外で飼った場合よりも室内で飼った場合の方が犬皮屑に対する陽性率が高かったこと、また実家に行く回数が多いほど陽性率が高かったことは、抗原量がアレルギーの成立に重要であることを示している。
また、生後3カ月以内の患児ですでに感作が成立している事実はまことに驚くべきことであり、ペットのような吸入アレルゲンの場合、極微量の抗原でも比較的早期に感作が成立することを示している。
母の実家の訪問後にみられた臨床所見から、症例に示した患児のペットアレルギーは、体幹よりも顔面の皮疹に対して強く影響していた。
このことは、乳児の顔面、特に頬部の皮疹は、かゆみに起因する掻破とそれによる二次感染が悪化要因の一つになっていることを示している。
統計分析から、犬を室内で飼育した場合、室外で飼育した場合あるいは飼育していない場合と比較して、有意に患者群の重症度の悪化が認められた。
従って、犬の室内飼育は犬アレルギーを成立させるだけでなく、抗原に接触する頻度も多いためにアトピー性皮膚炎の悪化に関与していると考えられる。
また、犬を室外で飼育した場合と飼育していない患児の間で症状に有意差が認められなかったことは、室外で飼育すれば感作の比率は上昇するが、抗原と接触する頻度が少ないために症状の悪化に関与しないことを示している。
このことは同時に抗原除去が症状の改善に寄与する可能性も示している。
すなわち、室内で飼育されていたペットを室外に移しただけでも、臨床症状の改善に寄与する可能性を示唆している。
今回ペットの排除効果について統計的に検討していないが、われわれはペット排除後軽快した成人型アトピー性皮膚炎の一例を報告している(6)。
猫と比べると、犬は室内・室外の飼育形態が明確であり、接触の程度も比較的はっきりしており、また、抗原除去も容易であると思われる。
従って、アトピー性皮膚炎に対して吸入アレルゲンの影響を検討する場合、ダニ類、カビ類、花粉類などに比して、犬のアレルゲンは臨床的に最も研究しやすい材料と思われる。
一方、乳児はステロイド外用剤その他で症状が修飾されていないことも多く、臨床経過も成人に比して短く、特定の要因を検討するには極めて扱いやすい対象と言える。
従って、乳児を対象として犬アレルギーを検討項目とすれば、アトピー性皮膚炎に対する吸入アレルゲンの除去効果を二重盲検法で解析することが可能であると考えられる。
ただ、日常の臨床では、長年飼育しているペットは家族の一員とみなされ、排除を指示しても困難である場合も多く、実際排除することによる臨床効果を研究するのは容易なことではない。
今回われわれが示した結果は乳児期初期からペットの排除の必要性を示すものであり、臨床現場での患者指導においても参考になるものと期待している。
文献
1) 前田裕二、秋山一男、長谷川眞紀、早川哲夫、金子富志人、他 : イヌ、ネコ飼育成人喘息患者における症状および感作の状況.アレルギー 42, 691-698, 1993.
2) Desjardins, A., Benoit, C., Ghezzo, H., L'Archeveque, J., Leblanc, C., et al. : Exposure to domestic animals and risk of immunologic sensitization in subjects with asthma. J Allergy Clin Immunol 91, 979-986, 1993.
3) 上田雅乃、井口淑子 : 気管支喘息における抗ネコ及び抗イヌIgE抗体ー接触歴・臨床症状との関連について. アレルギー 36, 358-366, 1987.
4) Murray, AB., Ferguson, AC., and Morrison, BJ. : The frequency and severity of cat allergy vs. dog allergy in atopic children. J Allergy Clin Immunol 72, 145-149, 1983.
5) Hanifin, JH., Rajka G. : Diagnostic features of atopic dermatitis. Acta Dermatovenereol (Stockh) Suppl. 92, 44-47, 1980.
6) 遠藤薫、青木敏之 : 室内犬が増悪要因と考えられたアトピー性皮膚炎の一例. 日本皮膚アレルギー学会雑誌 6, 147-150, 1998.
Keeping Dogs Indoor Aggravates Infantile Atopic Dermatitis
Kaoru Endo, Takayuki Hizawa, Takayuki Fukuzumi, and Yoko Kataoka
Department of Dermatology,
Habikino Hospital of Osaka Prefecture
Key words : infantile atopic dermatitis, dog, RAST, allergen.
We had a two-month-old girl with severe dermatitis since birth. Her serum RAST to HD, Df and Dp were 1.06, 0.03 and 0.01 Ua/ml respectively. A Yorkshire terrier were kept at her mother's parents' home where the patient had lived for a month since birth. Her eczema, which became markedly aggravated whenever she visited there, improved after the elimination of the dog.
We investigated the relationship between keeping dogs and infantile atopic dermatitis. We studied 368 patients under the age of two years (211 boys and 157 girls). Skin symptoms were graded globally mild, moderate or severe. Total serum IgE and specific antibody titer to dog dander were measured. We asked them whether they kept dogs and specifically, where they kept dogs, outdoor, indoor, in their own house, or in their grandparents' house.
197 patients had no contact with dogs, 90 patients kept dogs outdoor and 81 patients did indoor. The positive rate of RAST (≧0.7 Ua/ml) to dog dander was 6.1 %, 17.8 % and 46.9 % respectively in these three groups. There were strong statistical differences between three groups. On the other hand, among the 81 patients who kept indoor, the RAST positive rates were almost same regarding where the dogs were kept, in their own house or their grandparents' house. Interestingly this difference happens only with patients under the age of 3 months. Patients older than 4 months showed no significant differences in the positive RAST rates, whether they kept dogs indoor or outdoor. This suggests the sensitization occurs before the age of 3 months. Speaking of symptoms, patients who kept dogs indoor showed significantly more severe symptoms than patients who had no contact with dogs and patients who kept dogs outdoor. There was no significant difference between the symptoms of patients who had no contact with dogs and those of patients who kept dogs outdoor. This implies the patient's symptom will improve only by moving the dog out of the house.
legend
Fig. 1 Summary of the clinical course and the laboratory data
Her symptom improved markedly after admission to the hospital. By the avoidance of the dog at her mother's house, the aggravation which had been observed after visiting there gradually disappeared with the decrease of RAST to dog dander.
Fig. 2 Relation between living places of dogs and positive rate of RAST to dog dander
In 197 patients who had no contact with dogs the positive rate of RAST to dog dander was 6.1 % , in 90 patients who kept dogs outdoor it was 17.8 %, and in 81 patients who kept dogs indoor it was 46.9 %, where there were significant differences between them. RAST positive rates were almost same in the group who kept dogs at their own house as in the group who kept dogs at their parent's house, as far as dogs were kept indoor.
Fig. 3 Relation between age of patients and positive rate of RAST to dog dander
The infants under the age of 3 months were sensitized to dogs, when they were kept indoor. There were no significant differences in the positive rates in the two groups after the age of four months.
Fig. 4 Relation between positive rate to dog dander and visiting frequency to their grandparents' home
Sensitization rate is increased in relation to visiting frequency of the infants to grandparents' house. Two to four visits a month seemed to be enough to increase the positive rate.
Fig. 5 Relation between living places of dogs and severity of patients with atopic dermatitis
Patients who kept dogs indoor showed significantly more severe symptoms than patients who had no contact with dogs or patients who kept dogs outdoor. There was no significant difference between the symptoms of patients who had no contact with dogs and those of patients who kept dogs outdoor. This suggests if a dog is kept inside the patient's house, his/her symptom might get better only by moving the dog out of the house.
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