アトピー性皮膚炎皮膚炎における 抗核抗体の陽性率 |
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かなり以前の学会報告で、発表時期や学会も不明です。 |
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はじめに |
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アトピー性皮膚炎患者だけではないかもしれませんが、紫外線に当たると真っ赤になり、末梢の血液循環がよくないために、四肢の冷え症がひどく、肩こりや頭痛で苦しんでいる女性は多数います。 そんな女性で抗核抗体を調べますと、高値ではないものの、しばしば陽性になっています。 四肢の冷え症がひどい女性は、たいてい子供のときにしもやけ(凍瘡)ができた経歴があります。 そんなしもやけも、アレルギー体質があったりすると、アレルギー性の炎症が加わって、かゆみが強くなります。 末梢の循環不全がある患者さんは、しばしば末梢に血液が十分行き届いていないために、末梢が酸素不足や栄養不足となり、手指の爪周囲に炎症を起こしたり、手足がかさかさになります。 炊事や洗濯などの家事を素手のままやっていると、ドライスキンに刺激が加わり、手湿疹がひどくなります。 ここでは、アトピー性皮膚炎患者において、抗核抗体の陽性率を調べ、湿疹の難治化の要因として、自己抗体の関与の可能性を検討しました。 |
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対象 |
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大阪府立羽曳野病院皮膚科に通院しているアトピー性皮膚炎患者194名(男90名、女104名、5〜52歳、平均年齢 21.0±7.6歳)について調査しました。 比較対照(コントロール)として、慢性じんま疹患者44名(男15名、女29名、5〜47歳、平均年齢 29.6±9.6歳)を選んだ。 さらに上記以外の皮膚疾患、すなわち尋常性乾癬7名、慢性湿疹14名、手湿疹4名他、合計47名(男18名、女29名、6〜44歳、平均年齢 24.6±9.0歳)に対しても比較し検討しました。 |
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方法 |
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喉頭癌由来のHEp-2細胞を核材として、蛍光抗体間接法で測定しました。 20倍以上を陽性としました。 抗核抗体の染色型は、speckled+homogeneous、speckled、discrete speckled、nucleolar、membraneous、および不明、の6型に分けました。 |
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結果 |
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表1に抗核抗体の陽性率と陽性レベルを示しました。 アトピー性皮膚炎194名のうち44名(22.7%)が陽性でした。 そのうち31名は40〜160倍陽性で、320倍以上陽性の高値は6名(3.1%)いました。 慢性蕁麻疹でも44名中13名(29.5%)陽性で、アトピー性皮膚炎よりむしろ多くなっていましたが、統計的有意差はありませんでした。 そのうち2名(4.5%)が320倍以上でした。 その他の皮膚疾患と比較しますと、47名中3名(6.4%)で陽性になっていました。 アトピー性皮膚炎はその他の皮膚疾患と比べて、有意に(カイ二乗検定、p<0.01)抗核抗体の陽性率が高くなっていました。 |
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表2に抗核抗体の染色型に分けて検討しました。 アトピー性皮膚炎では、speckled+homogeneousが32名(72.7%)と大部分を占め、speckledが7名(15.9%)いました。 慢性じんま疹でもspeckled+homogeneousが7名(53.8%)と多数を占めていました。 その他の皮膚疾患では全員、speckled+homogeneousが占めていました。 |
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表3にアトピー性皮膚炎患者を男女で分けて、抗核抗体の陽性数(陽性率)を示しました。 抗核抗体の陽性率は、女性の方が104名中30名(28.6%)と、男性の90名中14名(15.6%)よりも有意に(p<0.01)高くなっていました。 |
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表4に湿疹の重症度と抗核抗体の陽性率の関係を示しました。 湿疹の重症度の違いで、抗核抗体の陽性率に差違は見られませんでした。 重症になると、抗核抗体の高値陽性数が多くなるともいえませんでした。 すなわち、アトピー性皮膚炎の重症化には、自己抗体は関与していないことを示しています。 |
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表5にアトピー性皮膚炎の発疹の種類と抗核抗体の陽性率との関係を示しました。 肥厚・苔癬化型のアトピー性皮膚炎で24名中9名(37.5%)が抗核抗体が陽性になっていましたが、他の発疹型との有意差はみられませんでした。 |
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表6に、顔面の重症度と抗核抗体の陽性率との関係を示しました。 顔面の重症度と抗核抗体の陽性率の間には有意な相関は見られませんでした。 すなわち、顔面の湿疹の原因の主要な部分は、内的な光線過敏症ではないということを示しています。 |
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表7に血清IgE値と抗核抗体の陽性の有無との関係を示しました。 抗核抗体が陽性の患者でやや血清IgE値が高い傾向は見られましたが、有意差は見られませんでした。 |
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